ソラマメ

疲弊する救急医療の現場

万が一大きなケガを負って、早急な対応が必要な場合、救急の医療体制が重要ですが。近年は受け入れ先がなかなか見つからず、救急車の中で患者が亡くなってしまうケースも出ています。総務省消防庁の「救急搬送における医療機関の受け入れ状況等の実態調査」によれば、2009年に救急車で搬送された約41万人のうち、4回以上医療機関に照会されたケースが約3.2%もありました。11回以上照会したケースも677件あり、その多くが東京、埼玉、大阪、奈良に集中していました。

疲弊する救急医療の現場

患者の安易な救急利用の増加、高齢者の増加による救急患者の増加、救急を担う医療機関の減少、患者の大病院思考、救急医療期間の疲弊などが、機能低下の原因といわれています。

軽症の患者が救急を利用する問題については、最高1万円程度の時間外選定療養費を要求する病院も出てきました。また、高齢者については、療養病床の削減によって救急病院を退院した後の受け入れ先が見つからないことが、救急の受け入れを躊躇する要因の一つです。

救急告知病院も減少しており、残った医療機関に患者が集中し、医師の労働環境が悪化しています。この事態が長引けば、医師の辞職が相次ぎ、残されたスタッフの負担がさらに増えて、益々労働環境が悪化するという悪循環に陥ります。緊急の手術や診断ミスに関する医療訴訟件数が増加し、医師が救急などのリスクが高い診療科を避けるようになったことも、医師不足の原因の一因となっています。


Posted by crystalboy at 15:15